PLSの会 2020年度オンラインフォーラム開催報告

     
“Meeting the Challenge of the Present”


開催日:2020年 11月 15日(日曜日)


WEB会議ツールZOOMにて、PLSの会2020年度オンラインフォーラム “Meeting the Challenge of the Present”を開催し、PLS姉妹校29校100名以上の方にご参加いただきました。

コロナ禍、今だからこそ感じる事・想いを姉妹校の皆様と共有し、英語を学ぶ生徒・保護者様に向けて私たちができること・伝えるべきことはどういったことなのか、会長マスミ オーマンディ、副会長レイ オーマンディ、大工原みどりのスピーチやご参加者様同士の意見交換を通して考えを深める会となりました。

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プログラム1 スピーチ

「このコロナ渦から手にしたもの」 会長 マスミ オーマンディ  副会長 大工原みどり

このコロナ禍で得たものの1つは、Stay Homeで考える時間ができた事です。

守るべき大切なもの、必要でないものは何か?失ったものがあるから、得られたものがあることを強調したいです。

得たものの1つにITの活用があります。瞬時に、場所を選ばず人と繋がることができる。子ども達は家庭学習Clickで、リスニングのインプットとともに、ゲームでアウトプットができることの効果も確認できました。

また、公教育で英語が教科化される中、我々民間レベルでしかできない真の英語教育とは何かということも考えさせられます。そのため、システムの重要性と価値を再確認したいと思います。

そして「真の学び」とは何か?教師自身も、自らの学びを忘れてはいないか。年齢ではなく、やろう、やりたい、やれるという決心が必要です。教育はすぐに結果が出るものではありません。「子どもたちに夢と希望を約束する」大人の行動を、子どもたちは見ています。この未曾有の状況の中でも、子どもたちに命の大切さを伝えたいですね。

 大工原みどりからは、コロナ禍でのPLS東京でのエピソードを交え、その中での気づきや学びをシェアするとともに、現在開発中の「教師用デジタルフラッシュ」をご紹介いたしました。

 
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"Our Mission as English Teachers" 副会長 レイ オーマンディ

レイ オーマンディからは、自身がどのようなきっかけで日本に来たのか、また英語教師の道をたどってきたかを、エピソードを含め話しながら、我々英語教師のミッションは何かを考えるメッセージをお送りしました。

「単に英語を教える」だけではなく、生徒たちに外国文化も学んで欲しい。その一方、今自分たちがいる日本に興味を持ち、日本語をできる限り学び続けることも大切なポイントだと語りました。

教師は常に質の高いレッスンをしたいと考えているはずです。そのためには、何をおいても「準備」を
入念に行うことが鍵となります。研修でもお伝えしているように、1つのレッスンが終わったらその記憶
が新しいうちに次週のレッスンのプランや準備を始めることです。また、自分のレッスンをビデオに撮
り、自身で客観的に観ることで気付かされることはたくさんあります。

最後に、我々は自分が教えている子どもたちが社会の良き一員となるよう、自らがロールモデルとな
り、その後ろ姿を見せ続けること。これも我々教師のミッションである、と語りました。

英語のネィティブスピーカーであるから英語が教えられるのでは決してない、教育者としての自覚をもって切磋琢磨することの大切さを伝えました。また、長年日本にいる姉妹校の先生方も、日本歴がまだ短い他の先生方に様々なアドバイスをくださいました。

 
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プログラム2 グループディスカッション

グループ① コロナ感染症対策、またその中でのスクール運営

 
コロナの影響は感じるか? Yes 64%  No 36% (ディスカッション中ご発言いただいた方)

 

大きい声がだせない」「距離を保たないといけない」という制限の中で、
楽しい英語レッスンをしていくには?

・マスク・フェイスシールド・マウスガードの着用。
(フェイスシールドは飛沫が下に飛ぶので着用を避けられている学校もあり)

・講師の周りにビニールシート(天井からテーブルまで)の設置。

・子どもたちの意識を変える→小さい子にはフラフープを床に置き、場所を指定。

・加湿器・サーキュレーター・空気清浄機の設置。(例:アンデス電気の空気清浄機)

・持続化補助金で空気清浄機・ビニールシート等を購入された学校もいらっしゃるそう。

 

新規生徒獲得及び、既存生徒の休会・退会者を減らすには?

・保護者見学はカメラを設置してオンラインでできるようにした。(保護者からは好評)

・SNS やHPでのアピール。
 (春入会を控えていた方が秋口になって入会の問合せをしてくれるような動きがみられる)

・原点に戻って、生徒一人ひとりに丁寧な対応をする、また授業をきっちりと行うことで保護者様に認
 めていただき、口コミを増やしていく努力をする。

・3ヶ月無料レッスン等キャンペーンの実施。

・Webキャンパスの公開(閲覧は要事前登録にすることで連絡先の獲得
 →個人相談に繋げることができたというメリット。

・保護者に 外国人講師/日本人スタッフ/マネージャー/学院長 それぞれと面談してもらい、満足度を上げ
 る。つまり、学校のファンを作ることに力を入れる。

・保護者の安心に繋げるため毎月アンケートの実施。

・クラスごとに希望が多い方法(対面or オンライン)でクラスを実施している。

・オンラインレッスンの設備を整え(wifiの不具合を防ぐために全てのデバイスを有線にする、など)、
 プロとして対面と同じクオリティが提供できるようにしている。

 

グループ② 日常の生徒・保護者対応について

<オンライン・ビデオ参観について>

映像として残るという点でプライバシーの問題はないのか?
対面と同じ認識なのか?それとも特別配慮をした方がいいのか?

・保護者には校内でスタッフの解説付きで観てもらう方法を取っている。

・Live配信の際、録画はしないようにお願いしている。

 

ライブ参観、カメラが固定になるので映る子が限られてしまう。まんべんなく映すコツなどは?

・できるだけみんなが映る位置にカメラを設置するが限界があるので、その日映像を参観する保護者のお 子さんが特によく映る位置にするというような対応をしている。

・真上にウェブカメラを設置するとお子さんの顔が映らず、講師を含めてまんべんなく映るのでは?

・録画中の音声はAmazon Ecoなどを活用することを検討。音声に関してはどのようなマイクを導入する かで大きく変わると思うので、良いマイクを見つけたいところ。

<保護者対応における工夫>

Line導入→ 8校中7校

・Lineを導入することによって気軽に保護者のタイミングでメッセージを送ってもらえるようになった。 電話でいきなりクレームが入るよりは、Lineでまずメッセージで来た方が、その件で保護者様と実際に 話す前に対策を練ることが出来てよい。
(学校のPCを開かないと見ることができないのでスタッフの私生活に影響はない)

・Lineはグループ配信ではなく、生徒の名前を入れるなど個人的なやり取りになるように心掛けている。

・Lineは一斉配信と個人送信が同じ画面に表示されるので、個人宛ての大切なお知らせが流されてしまわ ないように送るタイミングに気を付けて活用している。

 

<宿題の連絡方法>

Lineの活用→ 8校中7校

・Line・Email・電話で宿題連絡をしている。(全ての家庭に対応できるように) 
 電話の場合は生徒本人が掛けてくるように指導し、高学年は先生に直接英語で聞くようにさせている。 そうすることで保護者に英語を話している姿を見てもらえるというメリットも。

 

グループ③ 多国籍な職場でのコミュニケーションについて

●よくある事例

 日本語⇔英語の言語バリアにより

  ・誤解の発生

  ・意図とは反して語気が強くなりすぎたり、遜りすぎたりする
   → 例:何かを頼む際、I want you to do this より Could you do this?の方が丁寧

  ・その場の空気を読んで「明確に指示されている訳ではない何かをする」ということは外国人講師に
   とっては難しい。

  ・日本語でのミーティングの際、先生が完全に理解できているか不安。
   →ミーティングの後、分からなかった部分に関して質問や確認をしてくれるとありがたい

社内コミュニケーションを円滑にするためには?

・毎週こまめにミーティングをすることでコミュニケーションの活性化が期待できる。

・新しく入った外国人講師にとっては日本の文化を含め、全てが初めてだということを心に留めておく。

・講師は日本語や日本の文化を学ぶ姿勢を忘れない。

・お互いの文化を尊重することが大切。

・先入観を持たず常に視野を広く持つ。

・フィードバックを素直に受け止める気持ちを忘れない。

・ただの批判ではなく建設的な意見になるように気を付ける。

・お互いに助け合う。

・分からないことはそのままにせず質問する。

・時には仕事に関係のない世間話(雑談)も大切。

・折に触れてお互いに褒め合うことも大切。
 → ネガティブなことばかり言うのではなく、ポジティブなことも普段から伝えるようにすると、何か   提案やお願いをする際にお互いに聞き入れやすくなる。

・サンドイッチメソッド(良いこと→ネガティブなこと→最後にまた良いこと)の活用。

 

グループ④ 生徒が生きた英語を話す体験の場を増やすには(イベントなどその他工夫)

Q :生徒の約半数は年中以下の小さい子達だが、イベントを小さい子達に合わせたもので企画すると小学  校中学年以上の生徒様には合わなくなるので、そういう子達へのイベントアイデアを知りたい。

Q:小さい子向けのイベントは既に実施しているが、中学年以上の子達も恥ずかしがらずに参加できるよ  うなイベントを知りたい。

Q:小さい子への集客を考えているが、コロナ禍でなかなか集客が難しいのでアイデアがほしい。

Q:外部の人を招いてのイベントの開催が難しい。年齢を問わず、イベント等を通じて生徒達にも楽しい
経験をしてもらい、英語へのモチベーションにつなげてほしいと思っているが、なかなか難しい。講
師が1人だけなので、講師以外の外国人と英語で話す体験をさせてあげることができない。

<ハロウィン>

・ドアデコレーションコンテスト
 → 教室のドアをデコレーションし、生徒が投票

・マスク(口ではなく目の部分)デコレーションイベント
→ 使用する材料の英単語を学ぶ機会にもなった

・例年は地元の商店街でトリックオアトリートを開催するが、今年はキャンセル。代わりにInstagramで
生徒のハロウィンコスチュームコンテストを開催。

・スクール内で英語を使うことでポイントを得ることができ、貯めたポイントでプライズと交換できる制
度を導入。ハロウィンではポイントを獲得できるゲームの他、普段の半分のポイントでプライズと交換
できる企画を開催。

・ハロウィンコスチュームを着た生徒と個別に写真撮影し、クラスのメンバー全員が揃うように編集して
クラス写真を作成。

・講師の出身国でのハロウィンの楽しみ方を紹介するビデオを作成し、オンラインで生徒に公開。

・例年のハロウィンイベントは中止したが、ハロウィンウィークを設定しコスチュームを着てのレッスン
を実施、レッスン内容もハロウィンバージョンのElementary Liesやカードを使ってのレッスンなどを
行った。

・かぼちゃのカーヴィングビデオを作成し、ロビーで見てもらえるようにした。でき上がったかぼちゃも
飾った。

・少人数制のハロウィンクラフトイベントの開催(お化けの形をした貯金箱のペイント)。

 

<オンラインイベント>

・講師の特技(ピザ作り・トランペット演奏・歌など)をZoomで生徒に紹介するコンテストを開催。
(今後、生徒の特技コンテストをしても良いかも?)

・対面式のスピーチコンテストの代わりにTED Talks の短い版のようなスタイルでオンラインスピーチコ
ンテストを計画している。

・人種差別をテーマに2時間のオンラインディベートイベントを大人の生徒向けに開催し、とても好評
だった。

・ゲストティーチャー:本校の講師に他の学校のレッスンにオンラインで参加してもらったり、帰国した
 講師にレッスンに参加してもらった。

Japaneasy(日本村)
オーストラリアメルボルンの日本語学校が毎週金曜日の夕方に実施しているLanguage Exchangeプログ
ラムに中高生が参加。参加費5オーストラリアドル、2時間のプログラム。参加者はオーストラリアやマ
レーシア、カンボジアなどで日本語を学んでいる人や日本で英語を学んでいる人。英語の時間と日本語
の時間が交互にあり、主催者がしっかりと管理(40人~50人の参加者を4~5人の小グループへの振り分
けなど)をしてくださる。英検2級程度ある子は毎週楽しみに参加している。今は、学校に来てもらい、
ペアを組んで助け合うようにして参加しているが、後々は子ども達が家から自分で参加できるように考
えている。

 

<遠足・対面イベント>

・屋外で最低限の対策でハロウィン等のイベント実施(併せて販路開拓補助金利用)、スピーチコンテス
トもイベントの 意義を考慮し、中止はせず、オンラインや少人数でのグループなどの対策を考えて実
施予定。

・コロナ禍以前は、体験型の英語学習施設 Tokyo Global Gateway(東京)やキッザニア(東京・甲子園)
への遠足を実施していたが、バス移動の際の密などを考慮し、今年は中止に。

・他校で行われるスピーチコンテストに参加。予選は動画、本選に通ったら会場で実施。参加希望者には
レッスン後にスピーチの練習のサポート。学校のスタッフ人数が少ないと独自のイベント実施は難しい
が、地域のイベントなどを紹介する。

 

<ビデオ関連>

・Reading ContestとTongue Twister Contestを実施。生徒は英語、先生は日本語で挑戦し、生徒・保護者
向けに公開。

・全面オンラインレッスン実施期間中、未就学児向けに歌やクラフト、読み聞かせの動画を作成し、在籍
 生徒および派遣園に向けて配信。

・お寿司を作るクッキングビデオの作成。

 

<SNS関連>

・Instagramのストーリー機能の活用でインタラクティブな情報発信が期待できる。

・保護者との連絡(スクールからのお知らせやイベント告知)にLineを活用。コロナの影響で緊急のお知
らせがある場合など、個別の電話掛けよりも素早く対応できる。

・日・英両方の言語でSNSに投稿することで、アクセス数を保ちながら新しい英単語を習得できる機会を
もつことが期待できる。

・Instagramなどでコンテストを実施、塗り絵コンテスト、デコレーションコンテストなどSNSでのシェア
で宣伝にもつながる。また、学校や講師に対しての親しみ、楽しさを生む。

☆NPO法人ニューライフカシマ21 アーブル英会話スクール様の取組み

パーフェクトステッカーが並ぶと学校独自の通貨をもらって、お買い物ができるという従来のシステムをオンラインショッピングにし、そのCMを中高生に作ってもらい、編集は卒業生の大学生が編集してくれた。        

 



<オンラインレッスンについて>

・緊急事態宣言中などはオンラインへの切り替えを喜んでいただけていたので、講師が一時帰国をした
 際の自宅待機中のレッスンを、講師本人によるオンラインか、日本人マネージャーによる代講対面レッ
 スンかとなった際、講師によるオンラインレッスンの方が喜ばれると思ったが、保護者(特に2~3年
 生)様から反対の声(月謝の調整、休会など)があがった。教室の方がより学んでいるという保護者の
 認識。オンラインなら喜ばれると思っていると、保護者様との意識のずれが生じている可能性もある。

・上記と同様に同じ月謝でのオンラインには否定的。年中さん、年少さんなどはオンラインは難しい。中
 高生はまた違うがオンラインはできればやりたくない。

・同様にオンライン対しては否定的なご意見(対面が希望)はあり、イベントで先生と何かできるのが楽
 しいなどのモチベーションにつながっているので、イベントができないこともやはりマイナス。長期化
 していくことを考えると、対策が必要。


ある姉妹校様の事例:
オンライン希望者と対面希望者が混ざっているクラスがあり、講師も困っている。
クラスの直前にオンライン希望の連絡が来ることもある。
他の学校はどうしていますか?

⇨ 宿題チェックが難しいので、講師から無理だと言われた。
⇨ オンライン希望者はプライベートのみ(少し月謝を調整)にしている。
⇨ 基本は対面。体調不良等で来れない場合は、短時間プライベート提供で対応。

 

グループ⑤ Sharing Teaching Ideas

Greenwood EnglishのJonathan先生がオンラインティーチングのアイデアとレッスンの動画をシェアしてくださいました。

その他、ご参加いただいた他の先生方からも下記のようなアイデアをいただきました。

・Q/A set B Que cards with the Hot seat game:
Hot seat game plan makes Question and Answer Set B Que cards work better.

 ・Student centering using ideas for Montessori method might be an idea.

 

ご参加者様の声(抜粋してご案内いたします)

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・Mr.&Mrs.Ormandyの考えに触れさせてもらえて、PLSの思想をより深く考えることが出来ました。コロ
ナ禍で、私たちが生徒さんに対してどのように愛情が伝わるレッスンができるか?またスタッフ一同で
考えてみたいと思います。

・オンラインであったため、普段のセミナーではなかなかお会いできない遠くの姉妹校の皆様のお話し
を聞けて嬉しかったです。

・ブレイクアウトルームで時間のカウントダウンがあったため、時間を意識した充実した話ができた様に
思いました。

・他の学校がコロナに対してどの様な対策をしているのか、集客について、今後どうしていくか等、色々
な意見やアイデアを頂けたので出席して良かったと感じました。

・セッションでお話を聞いて、皆同じように先生とスタッフ間のコミュニケーションで大変な思いをされ
ているのだなとある意味安心しました。お互いに相手を思いやるのが大切だと改めて思いました。

 


事務局より

日曜日という貴重なお休みの日に多数のご参加を賜りありがとうございました。

今回のグループディスカッションでは、ご参加者様よりお寄せいただきました議題やご質問について限られた時間の中、答えが出るまで十分にご質問やお話合いをいただくことができない場面もあったことと存じます。今後も引き続き姉妹校の皆様が意見交換をできるような場を設けることができるようPLS本部スタッフ一同、日々取り組んでまいります。

今後共どうぞよろしくお願いいたします。

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